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【読書感想】博士の長靴

23/02/08_読破。瀧羽 麻子/著
天気の研究に生涯を捧げた藤巻博士とその一家、四世代の歴史と、時代毎に変化する家族の在り方を綴った連作短編小説。


この小説は、1958年から始まり、十数年ごとに主人公を替え、一家の在り方を描いた短編集なのですが、最初の章では藤巻博士がまだ一辺の大学生である頃、藤巻家にやってきた家政婦さんの視点から描かれます。第二章では藤巻博士はもう博士となっており、その息子・和男の家庭教師である藤巻研究室の学生の視点で物語が描かれます。第三章では代が変わり、和男がすでに世帯を持って結婚していて、藤巻博士の隣人の視点で描かれ、第四章では和男の不倫相手の視点…という風に、どんどんと主人公が変わるのですが、キャラクタ同士が絡み合っていて、他の章で登場していた子が、他の章で年を経て違う役割を持って登場してくるのが読んでいて楽しいです。ずっと藤巻家の人間だけを描いている訳でなく、藤巻家を取り巻く人間を描いているのが面白いです。


読んだ後に、ちょっぴり自分の人生をしみじみと振り返ってしまうようなお話です。