定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】ふたりみち

23/06/24_読破。山本幸久/著

67歳の元ムード歌謡歌手ゆかりは函館から東京までドサ回りの旅に出た。途中知り合った12歳の家出少女縁が彼女の歌に感動して勝手についてくるが、公演は行く先々でトラブルに遭い中止となる。落ち込むゆかりを縁が支え、55歳の年の差を超え2人は強い絆で結ばれていく…。


函館の小さなスナックのママ野原ゆかりは、元はムード歌謡の歌手だった。ある事情で抱えた借金返済のため、昔のつてを頼ってコンサートツアーと称したドサ回りの旅をすべく、本州に向かって津軽海峡をフェリーで渡っていた。

フェリーで偶然知り合った同じ名前の森川縁(12歳)、なぜかゆかりの唄に興味を持ちついて来てしまう。

道中、縁が母親と喧嘩して家出してきた事を知ったゆかりは、親に連絡させた後、最終目的地である東京まで彼女を連れて行くことになる。


しかし、ゆかりのコンサートツアーは、行く先々でトラブルが起き、事あるごとに中止となる。なかなかステージに立てないゆかりを支える縁。2人は55歳の歳の差を超えていつしか、固い絆で結ばれていく。

そして最後の会場である、東京に着いたふたり。そこは、ゆかりの悲しい過去が刻まれている場所だった。



主人公は、元ムード歌謡歌手のミラクル・ローズことゆかりさん。元々はアヒルバス(山本幸久作品お馴染み)のバスガイドだった所を見出され、ムード歌謡の歌手としてデビューした物の、ヒット作はたった一作、鳴かず飛ばずで引退してしまいます。しかし、彼女の歌唱力は、実は本物で、売り出し方が悪かっただけ?で

多くの根強いファンを持っていたのです。

そして、67になり、全てを諦めかけた彼女は、12歳にして、昔の自分を彷彿とさせる様な縁と出会い、共に行動するうちに、歌に対する熱い気持ちを取り戻していくのです。

読んでいると、あたたかくてほんの少し前向きになれそうな気がするいいお話です。