定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】はるか、ブレーメン


23/06/13_読破。重松清/著

16歳の小川遥香は、祖母を亡くし一人ぼっちになってしまった。母は3歳の時に実家に遥香を置いて消えた。そんな彼女の元に『ブレーメン・ツアーズ』という旅行会社から連絡が来る。遥香の住む家に昔住んでいた人が、人生最後に思い出したい事として、遥香の家を訪問したいと言うのだが…...。


小川遥香16歳。育ててくれた祖母が亡くなり、一人になってしまった。

母は遥香が3歳の頃、遥香を実家に連れてきて、それきり会っていない。

そんな遥香の元に、ある日『ブレーメン・ツアーズ』という旅行会社から連絡が来る。

遥香の家に昔住んでいた人が、人生最後に過去を思い出したくて、家を訪問したい、出来れば家で過ごしたいという。あまりに怪しい申し出に、『ブレーメン・ツアーズ』の人とのファーストコンタクトの日に、幼馴染のクラスメイト、ナンユウを連れ出す。

結果、ナンユウと共に、認知症を患う老婦人とその息子をもてなす事になる遥香は、老婦人の背中に手をあてると、婦人の記憶が見れる事に気づく。『ブレーメン・ツアーズ』は、顧客の記憶を編集し、走馬灯を描く旅をアテンドする会社だった。何故か、人の記憶が見れる能力を持ち合わせていた遥香とナンユウだったが、能力に気づかされたナンユウは、自分の父親の記憶を覗こうとする。ナンユウの兄は、3歳の頃病気で亡くなり、ナンユウは兄に亡くなった時期と母の妊娠が重なった為、兄の名前『裕』に『生きる』をつけた『裕生』となった経緯があったのだ。

父親の記憶を覗いた翌日、ナンユウは東京の『ブレーメン・ツアーズ』に突撃訪問してしまう。ナンユウを心配した遥香は、『ブレーメン・ツアーズ』の社長の差し金で、ナンユウの両親の代わりに彼を迎えに行く事になり、自分の家を来訪した老婦人の秘密や、息子の葛藤を知ることとなる。

更に、顔すら記憶にない母が、最期に自分と会いたがっていると叔父から連絡が入り......。


ナンユウ君は、『なんちゃってユウキ』の略称だそうです。自分の名前が嫌で、名前を勝手に変えようとした事がきっかけで、皆から『ナンユウ』と呼ばれる様になったらしい。まあ、名前の由来、ちょっとつけられる方からしたら、嫌だよね。という事で、遥香ちゃんの生い立ちも随分と重いのですが、ナンユウ君が気になる一冊。重松清さんのファンタジー作品です。