定年まであと何年?

あと何年働いたらリタイアできる?をモットーに生きるアラフィフの日々のつぶやきです

【読書感想】犬がいた季節

23/03/29_読破。伊吹有喜/著
ある日、高校に迷い込んだ子犬。生徒と学校生活を送ってゆく中で、その瞳に映ったものとは。昭和から平成、そして令和へ。移りゆく時代の中の高校生達の青春を描く。


三重の進学校に迷い込んだ仔犬は、光司郎くんの席に座っていたことから『コーシロー』と名付けられ、幸か不幸か、高校預かりの犬となります(生徒と用務員さんとみんなでお世話するのです)
一話目は、まだ昭和。美大志望の光司郎くんとパン屋の娘で成績優秀な優香さんのほの甘い恋愛のお話です。まだ、家電が主流で、男子が女子の家に電話をかけるなどドッキドキする時代のお話なので、本当にほの甘いお話です。コーシローは、正月休みの間優香さんのお家にお世話になるのですが、優香さんが大好きで、その後の章でも時々優香さんを思い出します。
二話目は、学年一優秀でクール男子と、割と誰とでも仲良く慣れる気配り系男子のひと夏の友情のお話。何の繋がりもなかった二人が知り合うきっかけは、コーシローがクール軽男子のスリッパを持って逃げるのを気配り系が捕まえてくれるから。何故、クール系のスリッパだけ気に入ったかというと、優香さんみたいな匂いがするから。理由は作中に出てきます。
三話目は、神戸大震災が起こった年の、おばあちゃんが被災した家族、奈津子のお話。おばあちゃんは犬を飼っていて、震災で犬を助けられなかったことをずっと悔やんでいました。奈津子は卒業式におばあちゃんと出席し、コーシローと記念写真を取ります。

途中、優香さんが先生になって学校に戻って来たり、子供の頃優香さんが助けた子が、入学して来たり、色々ありまして、最終的に、光司郎君と優香さんが、コーシローと再会します。


何故か、私、ラストで泣けてしまいました。

歴代の卒業生が、成長して出て来るのが、

ホントに『立派に育って…(もはや、孫を見守るババァ)』て感じで、思わずホロリ。

良いお話でした!!