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【読書感想】カネと共に去りぬ

22/10/01_読破。久坂部羊/著
現役医師による医療小説短編集。様々な文豪の名作をパロった、現代医療問題のお話。


何とも言えないテイスト満載の短編集。表紙からして笑えるのですが、タイトルも『アルジャーノンにギロチンを』とか、『我輩はイヌである』とか『変心』とか。


特に『変心』。朝起きたら毒虫の如く見にくい心に変心してしまった女性医師の話なのですが、品行方正、優しくて美しい若い女性医師が、ある日を境に嫌な女に変身します。(心が変わると行動も変わるんですよ)
気に食わない先輩医師を誘い込んで落とした翌日、暴行されたと言って上司のもとに駆け込んだり、親身に世話してきた付随で寝たきりの弟を殺そうとしたり、挙句の果てに病院辞めてSM嬢デビューです。もう、変わりすぎ。両親号泣(私でも泣くわ…)まあ、何故か不意に目が冷めて(心の毒虫を追い払って)元に戻るのですが。


『カネと共に去りぬ』もいい味出してました。人間年とってくると、色々ありますよね。という話。名前の当て字がすごかった…。列戸馬虎(れっどばとら)とか、入楠明日礼(いりくすあすれい)とか。なんか、こう、おとぎ話のその後を見た様な感じ(めでたしめでたしで締めても、年は取りますからめでたくないこと起こっているのかも…)


医療問題に関心がある方も、どの小説をパロったか見てみたい方にもおすすめです(笑)